春はワンちゃんの恋の季節、発情期に適切な対応をしよう
ワンちゃんの発情期は一般的に春と秋だといわれています。発情したワンちゃんは普段とはまったく違う性格になったり、落ち着きがなくなったりすることが増え、ストレスを感じやすくなります。今回はワンちゃんが発情期にみせる変化や期間について詳しく解説します。発情期は飼い主さんの適切な対応が必要不可欠になるため、ワンちゃんのために知識を持ちましょう。ぜひ参考にしてみてください。
ワンちゃんが発情期にみせる変化とは?
ワンちゃんが発情期を迎えていることを知らずに「もしかして具合が悪いのかな?」と思ってしまう飼い主さんも少なくありません。
しかし注意深く観察すると、発情期を迎えたワンちゃんは必ずいつもと違う行動をしたり、性格に変化がみられたりするようになります。
それがどのようなものなのか、女の子のワンちゃん、男の子のワンちゃん別に、それぞれが発情期にみせる症状、期間について詳しく解説します。
女の子のワンちゃんの発情期
女の子のワンちゃんは、生後半年から8カ月頃に初めて発情します。一般的には6カ月ごとに起こり、春と秋に発情期を迎えるといわれていますが、最近では季節に関係なく発情するケースが増えているようです。
発情する前は、外陰部が腫れたようになり、出血が起こります。個体差がありますが、この期間は平均すると約8日ほど続きます。出血は少量の場合が多く、ワンちゃん自身が舐めてしまうため、発情していることに飼い主さんが気がつかないこともあります。
発情期間は平均すると約10日ほどです。発情期に入る3日前に排卵が起こり、妊娠可能な状態になります。このときホルモンバランスが変化するため、神経質になるワンちゃんもいます。
発情すると、落ち着きがなくなる、食欲がなくなる、不安そうにする、男の子のワンちゃんに近寄ろうとするなどの症状がみられます。
また、飼い主さんにしがみついて、マウンティング行為をするワンちゃんもいます。しかしこのマウンティング行為は、興奮して行っているのではなく、陰部の不快感を取り除くために行っている可能性が高いようです。
出血が収まり、男の子のワンちゃんが近くにいると、尻尾を立てて男の子のワンちゃんを誘うような仕草を見せ、受け入れる体勢を取るようになります。
飼い主さんがちょっと目を離したすきに繫殖行為をしてしまうため、妊娠を望まない場合は十分な警戒が必要です。
男の子のワンちゃんの発情期
男の子のワンちゃんには、女の子のワンちゃんのようにわかりやすい発情期はありませんが、発情した女の子のワンちゃんが近くにいると、においに反応して落ち着きがなくなる、食欲がなくなる、鳴く、吠えるなどの症状がみられます。
一度発情した男の子のワンちゃんは、発情中の女の子のワンちゃんがいると、一目散に駆け寄ろうとします。このとき繫殖行為ができないと、相当なストレスになり、頻繁に吠えるようになったり、攻撃的な性格になったりするなどの変化がみられるようになります。
去勢手術を受けておらず、成犬になった男の子のワンちゃんは、発情するといつでも繁殖が可能になります。目安としては、春と秋にソワソワしだしたり、お散歩中に女の子のワンちゃんに駆け寄ろうとしているときは十分な注意が必要です。
女の子のワンちゃんの発情期がおさまれば、男の子のワンちゃんもいつも通りに戻りますが、一度でも発情期のストレスを抱えたワンちゃんを目の当たりにした飼い主さんは、不憫に思うことも少なくありません。獣医師に相談し、去勢手術を受けることも検討してみてはいかがでしょうか。
ワンちゃんの発情期に飼い主さんが注意すべきこと
発情期を迎え、繁殖行為ができないでいるワンちゃんのストレスは相当なものです。落ち着かず、室内をずっとうろうろしたり、不安そうな表情になったり、鳴き続けるワンちゃんもいます。
かわいそうに思ってしまいますが、発情期間が収まれば元のワンちゃんに戻るので、ワンちゃんも飼い主さんも我慢のしどころです。
それでは、発情期を迎えた女の子のワンちゃんの飼い主さんと、男の子のワンちゃんの飼い主さんにそれぞれ注意すべきことを述べていきます。
女の子のワンちゃんの飼い主さんが注意すべきこと
特に妊娠可能な期間にはドッグランやドッグカフェ、ペットホテルなど、たくさんのワンちゃんが集まる施設の利用は避けましょう。
またお散歩中は、男の子のワンちゃんに近寄らせないように気をつけてください。飼い主さんがほんの少し目を離した瞬間に交尾をしてしまうこともあります。
次に、ワンちゃんの妊娠・出産を望んでいる場合と、望まない場合について、飼い主さんが注意すべきことをまとめました。飼い主さんの適切な対応がワンちゃんのためにつながります。ぜひ参考にしてみてくださいね。
妊娠を望んでいる場合
ワンちゃんの妊娠を望んでいる飼い主さんは、発情期の把握と知識を持つことが大切です。
妊娠・出産は、骨格が完成し、遺伝的疾患の有り無しがわかる、2歳以降が望ましいといわれています。また、相手となる男の子のワンちゃんを選ぶときも遺伝性の疾患がないか知ることが重要です。
ワンちゃんにはひとでいう閉経がないため、シニア犬になっても妊娠することはできます。
ただしシニア期に突入したワンちゃんは、体力の消耗が激しくなり、足腰の筋力の低下もみられるようになります。ワンちゃんの体の負担を考えると、妊娠・出産は2歳から7歳頃までの期間が望ましいといえます。
妊娠を望まない場合
妊娠を望んでいない場合は、長時間のお散歩は控え、おむつを履かせることをおすすめします。出産させる予定がない場合は、発情期のストレスをなくしてあげるためにも避妊手術を受けることを検討してみてください。
男の子のワンちゃんの飼い主さんが注意すべきこと
犬の嗅覚はすぐれているため、たとえ家の中にいても、発情中のワンちゃんが近所を通るとすぐに察知します。すると男の子のワンちゃんはにおいで興奮し、落ち着きをなくしたり、頻繁に吠えたり鳴いたりといった行為を繰り返し起こすようになります。この行為は数日間に及ぶ可能性もあります。
男の子のワンちゃんの飼い主さんは、近所や同居している発情期の女の子のワンちゃんに近寄らせないことが重要です。
飼い主さん同士でお喋りに夢中になっている間に繫殖行為に及ぶこともあります。万が一、女の子のワンちゃんが発情期だとすると、トラブルになりかねないので、お散歩中は絶対に目を離さないようにするべきです。
同居している女の子のワンちゃんが発情期になった場合は、別室で過ごさせるようにするなどの対応が必要です。
また、外で飼っている男の子のワンちゃんは、においで興奮し脱走することもありえます。一般的に発情期間といわれている春と秋は警戒が必要です。首輪の緩みやきちんと繋がれているかの確認をしてみてください。
まとめ
発情したワンちゃんの普段とはまったく違う様子に、飼い主さんは心配で気が気ではなくなるでしょう。
一般的には春と秋に発情期があると思われていますが、最近では季節に関係なく、年に二回発情するケースが増えてきています。
また、女の子のワンちゃんが発情することによって、男の子のワンちゃんは発情するため、妊娠を望まないのであれば、発情期間中の接触は絶対に避けましょう。
発情しても繫殖行為ができないことは、本能を抑制しなければならず、ワンちゃんにとってかなりのストレスになります。
繁殖をさせる予定がなく、病気などの理由で手術ができないと獣医師に診断されていないワンちゃんには、避妊・去勢手術を受けさせることを検討してみてはいかがでしょうか。