『ハイドロセラピー』がワンちゃんに与える効果とは?

『ハイドロセラピー』が犬に与える効果とは?

ハイドロセラピーとは、専用のプールや水中トレッドミルなどを使用してリハビリやトレーニングをする水中理学療法のことです。術後の機能回復に効果があり、最近ではダイエットや運動不足解消としても注目されています。今回はハイドロセラピーの効果について詳しくご紹介します。

ハイドロセラピーとは?

ハイドロセラピーとは?

ハイドロセラピーとは、水の特性を活かして犬の体と心を元気にする水中理学療法のことです。


水中での運動は、水の浮力を利用して体重を支えるため、筋肉と関節に負担がかかりにくく、筋力や柔軟性を高める効果があります。


膝蓋骨脱臼(パテラ)・股関節形成不全・椎間板ヘルニアなど術後のリハビリ、関節炎や神経疾患などで運動不足になっている犬でも無理なく体を動かすことができます。


また、水の抵抗によって筋力や心肺機能が向上し、免疫力アップにも繋がります。


ハイドロセラピーを受けることにより、犬の健康状態を改善することが期待されます。


ひとが体力増進や健康維持のためにスポーツジムなどでプールに入る感覚と似ています。


ハイドロセラピーの目的

ハイドロセラピーの目的

ハイドロセラピーは、水中での運動が筋力や体力を効果的に向上させることが期待できるため、術後の機能回復を目的としたトレーニングとして行われることが多いです。


水の浮力によって負荷が少なく、関節や筋肉への負担が軽減されるため、リハビリや筋トレ効果が高いのです。


また、水遊びが好きな犬なら、水中での運動を楽しむことができ、ストレスを解消する効果も期待できます。


さらに、水中運動は運動不足解消にもつながり、日常の活動をサポートすることで健康な体を維持することができます。


昨今では、犬のダイエットや、シニア犬の運動不足解消、健康維持を目的として利用する飼い主さんが増えてきています。


ハイドロセラピーで期待できる効果

ハイドロセラピーで期待できる効果

ハイドロセラピーは犬のリハビリや筋トレに大きな効果をもたらします。


水中での運動は筋肉を効果的に鍛えるだけでなく、関節の負担を軽減し、ケガの回復を助けます。


また、水中の運動は犬のダイエットや免疫力アップにも効果的です。


水の抵抗を利用して運動することで、無理なく運動量を増やし、代謝を促進することができます。


さらに、水中での運動は有酸素運動なので、心肺機能を強くするといった効果もあります。


短時間で効率よく運動ができ、犬の体に負担がかかりにくいため、健康維持にとても有効な方法といえるでしょう。


ハイドロセラピーが適している犬とは?

ハイドロセラピーが適している犬とは?

ハイドロセラピーは、次のような症状を持つ犬に適しています。


外科的治療を受けた犬

膝蓋骨脱臼(パテラ)、股関節形成不全、椎間板ヘルニアなどの外科的治療を受けた犬の術後の機能回復として適しています。


膝や筋肉に負担がかかりにくいため、リハビリを目的として獣医師から勧められることもあります。


小型犬に多い膝蓋骨脱臼の予防

ハイドロセラピーは、膝蓋骨脱臼(パテラ)の予防や進行を遅らせる効果が期待できます。


トイプードルやチワワ、ポメラニアンなどの小型犬は、中型犬や大型犬と比べると、膝蓋骨脱臼の発症率が高いといわれています。


膝蓋骨脱臼にならないようにするためには、肥満にさせないこと、脚に筋肉を付けることが重要です。


しかし、筋肉を付けさせようと、たくさん歩かせたり、走らせたりすることが、かえって膝への負担になってしまうこともあります。


その点、関節や筋肉に負担がかかりにくい水中で行うハイドロセラピーなら、無理なく運動ができるでしょう。


肥満が気になる犬

犬の肥満を解消させるためには、食事療法と運動が欠かせません。


しかし、食事は飼い主さん主体で行うことが可能ですが、陸上での運動は犬が拒否してしまうとお手上げしてしまうことでしょう。


その点、水中で行うハイドロセラピーなら、有酸素運動となるため、短時間で効率的な全身運動をすることができます。


最近では犬のダイエット目的として、ハイドロセラピーを利用する飼い主さんが増えてきています。



運動不足が気になる犬

お散歩が好きではない犬だと運動不足が気になりますよね。


さらにこれから暑い時期になると、お散歩の時間帯は限られ、外には出るけど歩きたがらない犬は多くなるのではないでしょうか。


そのような犬には、気温や天候に左右されず、短時間で全身を使った運動ができるためハイドロセラピーを利用するのもおすすめです。



シニアの犬

個体差がありますが、犬もひとと同じく年齢を重ねてくると、筋力が衰えて足腰が弱ります。


そのため、お散歩で歩く距離が短くなったり、ボールなどで遊んだりすることをしなくなる犬も少なくありません。


しかし、運動量が減っても食べる量が変わらずでは、肥満になってしまいますよね。


そこでハイドロセラピーを取り入れてみると、シニア犬の筋力や体力の衰えを緩やかにする可能性が高まり、運動量を保てることが期待できます。


できるだけ元気で長生きしてもらうには、体を動かす機会をつくってあげることも大切です。



メンタルが弱っている犬

外科的疾患の術前と術後や、先に述べたようにシニア期になると、犬も今までできていた「スイスイ歩くことや走ること」「階段の上り下り」などがスムーズにできなくなります。


そうなると犬は自信をなくし、メンタルが弱ってしまうことがあります。


犬が自信を取り戻してくれるようにするためには、水中で無理なく歩いたり、泳いだりすることができるハイドロセラピーが適しているかもしれません。


ハイドロセラピーの実施方法

ハイドロセラピーの実施方法

ハイドロセラピーは、専用のプールや水中トレッドミルと呼ばれる水中にあるウォーキングマシンを使用して行われます。


犬は水に浸かりながら、トレーナーによる指導のもとで運動やリハビリを行います。


注意点としては、犬の安全を確保するため、経験豊富なトレーナーが常に付き添っていることや、犬の状態に合わせて水温や水圧を調整することが挙げられます。


ハイドロセラピーが行われる施設は、専門の動物病院やトレーニングセンターで行われることが多く、プールや水中トレッドミルなどの専用器具が完備されています。


まとめ

ハイドロセラピーは、術後の機能回復やトレーニングだけではなく、犬の健康をサポートし、心身のバランスを整える効果があることがわかりました。


ハイドロセラピーを日常生活に取り入れることで犬の筋力がアップし、ダイエットや免疫力アップの効果も高められるため、より元気になることが期待されます。


また、ハイドロセラピーによって、犬のストレスが軽減されたり、運動不足解消に繋がったりといった効果もあります。


犬との充実した散歩を楽しみながら、ハイドロセラピーを定期的に続けることで、より健康な暮らしを送らせてあげることができるでしょう。

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