ワンちゃんのダイエット!健康的にやせて肥満リスクを減らそう
ワンちゃんの肥満には人間と同じように、健康上のリスクがあります。足腰の関節を傷めるだけでなく、すい炎や心臓病など深刻な病気になる場合もあるのです。ワンちゃんの健康のためにも食事や運動量、ライフスタイルを見直し、ダイエットをしましょう。
ワンちゃんが太ったかも?チェック方法
ワンちゃんの肥満は、脂肪が体の中にたまり過ぎた状態です。ワンちゃんが太ったサインを見逃さないようにしましょう。
ボディコンディションスコアでチェック!
「ボディコンディションスコア(BCS)」で、ワンちゃんが太ったかどうかチェックします。
ボディコンディションスコアとは、外見とワンちゃんに触った感触から適正体型の判断をするものです。ワンちゃんの体型は、次の5段階に分けられます。
「BCS 1 :痩せ」
「BCS 2:やや痩せ」
「BCS 3:理想体重」
「BCS 4:やや肥満」
「BCS 5:肥満」
環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」を参考に、ワンちゃんの外見と触った感触をチェックしてみましょう。
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808/pdf/6.pdf
理想体重は「BCS 3」ですね。「BCS 3」の体型は、次のような特徴があります。
・上からみると、肋骨の後ろに腰のくびれが確認できる
・横からみたとき、腹部のつりあがりがある
・触ったときに、脂肪がつきすぎていない
・肋骨に触れる
しかし、飼い主さんが触ってもよくわからない場合もありますよね。太ったかも?と思ったら、動物病院に相談するのがおすすめです。
体重の増加
体重の増加は、肥満かどうかの目安になります。ワンちゃんの体重の量り方は簡単です。
飼い主さんがワンちゃんを抱っこして体重を測定します。そのあと飼い主さんだけ体重測定してください。引き算をすればワンちゃんの体重が出ます。犬種の平均体重より重い、前より体重が増えている場合は肥満の可能性が高いでしょう。
散歩や運動を嫌がる
ワンちゃんは、太るとあまり動きたがらなくなります。散歩に行っても止まったり座り込んだりして、運動を嫌がるのです。散歩を嫌がるようになったら、注意してください。
歩くとき左右に揺れる
太ると歩き方がぎこちなく、左右に揺れるように歩きます。肥満のため、足や腰に負担がかかっているためです。
呼吸がおかしい
咳が出る、呼吸が浅くて速いなどの症状が出ます。肥満によって気管がつぶれ、息がしづらくなる気管虚脱になる場合もあるのです。
ワンちゃんの肥満はどうしてダメなの?
丸々としたワンちゃんはかわいいのですが、たくさんのリスクを抱えてしまいます。
足や腰への負担がかかる
変形性膝関節症や、股関節形成異常などのリスクが高まります。また、骨折しやすくなる、じん帯のケガをしやすいなどの危険性もあるのです。
病気のリスクが増える
太ったワンちゃんがかかりやすい病気に「すい炎」があります。すい臓から普段分泌されているのが、脂質やたんぱく質を分解する消化液「すい液」です。
高カロリー・高脂肪ものを食べ過ぎると、すい液がすい臓内に滞ってしまいます。そしてすい液が自分のすい臓を消化してしまうのです。すい炎になると、ワンちゃんはお腹が痛くなったり、嘔吐や下痢をしたりします。
ほかにも尿石症や心臓病などにかかる危険性が高くなるのです。
熱中症にかかりやすい
ワンちゃんは暑いとき、ハアハアと「パンティング」という呼吸をして体温を下げています。しかし肥満になると脂肪が気管を圧迫して、呼吸しにくくなるのです。
そのため、体温が下がらなくなり熱中所になりやすくなります。脂肪が多いと体に熱もこもりやすくなるのも原因です。
手術時のリスクが高くなる
肥満になると、麻酔がかかりにくくなります。さらに、脂肪が多くついていると手術もしづらくなるのです。損傷した組織の修復が遅くなるとも言われています。
出産のリスクも
肥満のワンちゃんは、受胎率が低下して赤ちゃんができにくくなります。難産になる確率も高まってしまうのです。
ワンちゃんが太った原因ってなんだろう
ワンちゃんが太る原因はほとんどの場合「食べ過ぎ」です。しかし、病気による肥満もあります。
食べ過ぎ
最も大きな原因は「フードとおやつの食べ過ぎ」です。ワンちゃんにおねだりさせると、ついあげたくなりますよね。
人間用のアイスクリームやパン、お菓子などを食べさせるのも肥満の原因になります。
運動不足
「散歩が好きじゃないから」とあまり歩かないでいると太ってしまいます。大人になったからと遊ばなくなるのも運動不足の原因です。
足や腰が痛いと、ワンちゃんは運動や散歩を嫌がります。そうなるとおうちで静かに過ごすようになりますが、お腹は減るもの。ご飯やおやつをねだって、食べすぎてしまうという悪循環を招くのです。
避妊去勢手術
避妊去勢手術を受けると、食欲が増加して太りやすくなります。
病気が原因のときも
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)や、甲状腺機能低下症などの病気にかかると、急に太る場合があります。肝臓や心臓の病気によって、お腹に水がたまると太って見える場合もあるのです。
ワンちゃんのダイエット
ワンちゃんのダイエットの基本は、「食べる量を減らして、運動量を増やす」です。しかし急激なダイエットは危険なので「少しずつ」を心がけましょう。
動物病院を受診する
ワンちゃんの肥満には、病気が隠れているケースもあります。「太ったかも?」と思ったら、まずは動物病院を受診しましょう。ワンちゃんに合った、適切なダイエット方法も教えてもらえます。
フードやおやつ量を減らす
人間が食べているものを与えていた飼い主さんは、与えるのをやめましょう。それだけでもかなり効果的です。
ワンちゃん用のおやつも、きちんと計算して食べさせましょう。おやつの量の目安は1日の摂取カロリーのうち10%です。1日に食べさせるフードをバットなどにあけて広げると、10%の量がわかりやすくなります。茹でたササミなどは低カロリーでおすすめのおやつです。
フードをダイエット用に変更する
ダイエットサポートなどのフードに変更すると、カロリーを抑えられます。動物病院で取り扱っている場合もあるので、相談してみましょう。一般的にダイエットフードは、食物繊維が多く含まれます。便秘にならないように、水分をしっかり与えるようにしてください。
突然のフード変更は、お腹に負担をかけます。時間をかけて少しずつ変更しましょう。
ご飯の回数を増やす
食事の回数を増やすと、空腹感が解消されます。1日3,4回程度に増やしてみましょう。
運動量を増やす
運動は大切ですが、いきなり激しい運動は体に負担がかかるのでやめましょう。運動量は徐々に増やすのがコツ。散歩の時間をちょっとずつ長くするといいですね。室内で過ごす小型犬も散歩は必要です。飼い主さんの気分転換にもなりますよ。
まとめ
ぽっちゃりワンちゃんはかわいいですよね。しかし、ワンちゃんの肥満にはさまざまなリスクがあり、ダイエットが必要です。食べさせ過ぎや運動不足に注意して、ワンちゃんを健康的にスリムにしてあげましょう。
ただし、極端なダイエットや過激な運動は危険です。病気になっていないか、病気が原因で太っていないかを判断してもらうためにも、動物病院を受診しましょう。
おねだりされると飼い主さんはつらいですが、ワンちゃんの健康のために頑張ってください。